Kawasaki W650

57歳(2011年、平成23年)中古のカワサキオートバイW650を買った。
購入に至った経緯についてはこちら

kawasaki w650
令和4年(2022年)5月

基本スペック

年式     2008年
排気量    675㏄
最高出力   48㎰
原動機種類  4ストローク空冷2気筒
燃料供給方式 キャブレター
燃料タンク  14L(リザーブ3L)
エンジン始動 セルフ・キック併用式
変速機形式  リターン式・5段変速

購入に際して必要不可欠と思っていた装備品は以下である。
1.キック(標準装備)
2.音(マフラーの交換)
3.前後のバンパー( フロントは装着済)
バンパーは車体を守ることよりも、装飾を目的としている。バンパーが有ると無しでは雰囲気が随分違う(個人的意見)よって、マフラーとリアバンパーは購入時に取り付けた。

2012年 
2022年

その後風防、サイドバッグ、大型ウインカー、ステンレススポーク、テールランプブラケット、オイルタンク風サイドカバー、チェーンカバー(メッキ)ウインカー音(カブ用)、ベベルギアカバー(W刻印)等の取り付けや交換を行った。
そして、つい最近(2021年12月)長年親しんだローハンドルからアップハンドルに交換した。

写真はローハンドル

W650の長所

  1. 見た目がクラシカル、ノスタルジックである。
    後継のW800やK3も外観は似ているが、決定的な違いはキックの有無。
    私にとってこの差は大きい。
    空冷2気筒のエンジン音を響かせながら旧道や山道を2000回転を超えない程度で、のんびり走るのが実に心地よい。
    尚、純正のマフラー音はまろやかであるため、つい高回転まで回していることもあるが、交換した社外マフラー(大和ステンレスマフラー)は全般的に甲高い。
    しかし低回転ではそれなりにノスタルジックな音を醸し出し、まぁ気に入っている。

    但し、キャブレター使用の為、エンジンが温まるまで暖機運転が必要である。
    そのエンジン音がうるさい。(これは欠点か?)
    よって、民家が離れた駐車場で暫しその儀式を行っている。
  2. 乗りやすい。
    他にバイクを所有したことが無いから詳細に比較することは出来ないが、乗車姿勢や足つき等全体的にバランスが良くまるで原動機付自転車に乗るがごとく、初心者から高齢者まで簡単に乗りこなせるバイクではないか。
    故にスポーティーに乗ることを目的とすればこのバイクでは物足りなさを感じるかもしれない。

  3. カスタム、磨き甲斐がある
    カスタム用のパーツも多く、またアルミやクロームメッキが多用されているため磨き甲斐がある。
    最近のバイクは輝くパーツが少なくなっているが、磨き屋には格好のバイクである。
    エンジン回りのアルミ素材はバフ掛けして光沢を出しているが、しばらく油断すると、特有のサビが発生するし、知らないうちに小さなキズも出来る。
    キズの具合によっては耐水ペーパーの目を変えながら研磨してキズを消すという手間も発生するが、それを面倒と思うか、愉しいと思うか…。

    kawasaki w650 kawasaki w650
  4. 故障が少ない
    ここ10年バッテリーの劣化でエンジンがかからなくなった以外、故障らしい故障は皆無。
    日頃キックでエンジンをかけているが、ある時、エンジンが掛かって間もなく、燃料切れのような状態でエンジンが止まった。セルモーターも何とか回るがエンジンは掛からない。バッテリの劣化である。
    バッテリーの日常の点検、定期的な交換をおろそかにしてはならない。
    尚、W650はキックが付いていても、バッテリーが正常でなければエンジンはかからない構造となっている。

  5. 燃費が良い。
    乗り方にもよるが、回転をあまり上げずに走るため、リッター当たり26~30㎞内外走る。
    燃料タンクが14リッターだから満タンで360km~420㎞走ることになるが、燃料計が備わっていないので走行距離を見ながら給油しなければならない。
    ※メーカーカタログ値  37㎞/L(60km/h)

尚、ハンドルの変更は走る感覚、雰囲気が思った以上に違った。
先ず、ハンドルの幅が780㎜から905㎜に広がって手前に伸び、高さも1075㎜から1140㎜と65㎜高くなったことで前傾から、どっしり構えたポジションとなった。
更に、ハンドルの幅が広くなったことで、グリップを僅かに抑え込むだけで車体がぐらっと倒れ込む感じとなった。
ローハンドルが走って楽しいとすれば、アップハンドルはゆったり乗って楽しいと言ったところか。
人によって好みはあると思うが、スピードより移り変わる風景を愉しみながら走る私はアップハンドルが好みである。
それよりもW650という車格にはアップハンドルがとてもよく似合うと思う。

ローハンドル
アップハンドル

W650の短所

  1. 点火プラグの点検、取り換え。
    燃料タンクが点火プラグの上に覆いかぶさっている。
    よって比較的頻度の高いこの作業を行うためには14リッター入る燃料タンクを取り外すという儀式を要する。

    よって、燃料の少ない時に行うことにしているが、もしツーリング途中でトラブルが発生したなら厄介である。(因みに、これまでプラグによるトラブルの発生はないが…)
    kawasaki w650のバッテリーは横にスライドして取り出す

  2. バッテリーの交換(取り出し)。
    バッテリーはシートの下に格納されているが、何故か取り外しは左のサイドカバーを外し、そこから横にスライドさせて取り外さなければならない。。
    しかし、サイドカバーの中は電気系統の配線が所狭しとひしめき合っている。
    サービスマニュアルによれば、
    ・バッテリケーブル(ー)を先に、次いでバッテリーケーブル(+)をバッテリから取り外す。
    ・配線類を固定したバッテリホルダーのボルト(1本)を外し、そのホルダーを斜めにずらす。
    ・バッテリーを取り出す。
    となっている。
    要は、配線で埋まったドアを開いてそこからバッテリーを取り出せ、といとも簡単に取り出せるかのように言っている。
    しかし、ボルトを外しても扉は一向に開かない。開かせるためには鎖のようにつながれたハーネスを外す?
    最初はサービスマニュアル通りにやっても絶対に取り外せないと思った。
    しかし、思案しながら観察してみるとバッテリーにつなぐボムの電源コードが扉の開閉を邪魔していることが分かった。
    そこでそのケーブルを引く抜くと、簡単に扉が開いた。
    サービスマニュアルでは、
    ・バッテリケーブル(ー)を先に、次いでバッテリーケーブル(+)をバッテリから取り外す。
    となっているが、正確には「—バッテリから取り外し、引き抜いておく」ではないだろか。
    kawasaki w650のバッテリーは横にスライドして取り出す。
  3. マフラーの交換
    純正はエキパイとサイレンサーが一体で、更にそれを中央で連結してある。
    だから左右のマフラーをほぼ同時に着脱しなければならず、最初は二人掛かりの作業となる。
    ただ慣れてくると一人でも出来るが、交換している大和ステンレスマフラーのように左右が独立し、更にエキパイとサイレンサーが分離できるなら着脱も容易である。
    マフラーの交換は車検時の儀式である。

    右⇒純正のマフラー(左右を連結してある。
    左⇒大和ステンレスマフラー(中央で分離する)

    kawasaki w650マフラー交換

    純正のマフラーの場合、左右のマフラーを自転車のチューブで吊り下げて行えば一人でも出来る。

                 
  4. 頻度は少ないが、アクセルケーブル、クラッチケーブルの交換。
    ハンドルを交換する時、ケーブルの長さが異なる(長くなる)ため、ハンドルにつながっている全てのケーブルをアップハンドル用に交換し、ハーネスも延長した。
    フロントのディスクブレーキの油圧ホースはセオリー通りに行い、ハーネスはパーツを買ってきて自作した。
    問題はアクセルケーブル、クラッチケーブルの作用側(エンジン側)の取り付けである。
    理屈はレバー側と同じであるが、指が入らないところにケーブルの先端をはめ込まなければならないから相当厄介である。
    特にアクセルは送りと戻しの2本のケーブルを手探り状態で行わなければならない。
    尤もキャブレターを外し、空間を広げて行えばよいが、素人にはそれもままならない。
右⇒アップハンドル
左⇒ローハンドル

ケーブル交換を伴うハンドルの変更は以外と面倒である。

総じてW650はスタイルを重視しているためか、メンテナンス性は考慮されていない。
ただ、危険なスポーツや遊び程楽しいのと同じで、一つのメンテナンスを終えるとそれなりの達成感が味わえる。
もしかしたら、そこまで考えて造られたバイクかもしれない。

意外と簡単!カワサキw650ステンレススポークへ交換